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ゼロからはじめる資産形成① 今のままで大丈夫? ケース別シミュレーションでわかる家計の「ここがアブナイ!」

     老後の資産として2000万円が必要になるとされる、いわゆる「老後2000万円問題」が浮上して以来、「資産形成」への関心が高まっています。でも「関心を持つ」のと「行動に移す」のは大違い。実際には、貯金も投資もほとんどできていない、という人が多いのではないでしょうか。

     新連載「ゼロからはじめる資産形成」では、そういう人たちのために、どうすればお金は貯まるのか、貯金や投資はどのように進めればよいのかを解説していきます。初回はまず、資産形成によって家計がどう変わるのか、シミュレーションで見ていきましょう。

    あなたの家計のここがアブナイ!

     さて、資産形成は大切とアタマではわかっていても、貯金や投資が進まないとしたら、その理由はただ一つ。それは、貯金や投資をしなかったら自分の家計がどうなるのか、ちゃんと分かっていないからです。

     みなさんの家計は「アブナイ家計」になっていないでしょうか。ケース別に、三つの家計の未来を見える化し、資産形成をすると家計がどう変わるのか、検証してみましょう。

     将来の教育費は心配。でも、大切な子育ての場所だからと、つい予算以上のマイホームを買ってしまうことも多いのが、子育て世帯の特徴です。都会に住んでいて、車がなくても不便ではないはずなのに、子どもと出かけるために車を持つ人も多いでしょう。

     教育費は、想像以上にかかります。あっという間に、貯金は底を突きます。具体的に見ていきましょう。

    ★ここがアブナイ!★

    ・上の子が高校入学後、10年間赤字が続き、下の子が大学在学中に貯蓄が底を尽く

    ・退職金をもらっても69歳時に再び残高が0円に

     そこで、毎月の生活費を3万円減らして貯金するように見直しして、資産形成した場合をシミュレーションしました。

    月3万円生活費を減らし、貯金した場合>>

     教育費のピークである大学時期もなんなく乗り越え、定年退職する60歳の頃の資産残高は3000万円と安心できる金額に。たった3万円で、こんなに未来は変わるのです。

     しかし40年後には再び危機を迎えます。それでは、貯金3万円のうちの一部(2万円)を投資にまわし、老後も運用しながら取り崩してみたらどうなるでしょうか。

    月3万円生活費を減らした上で、貯金のうち月2万円を投資に回した場合>>

     60歳までの25年間、月2万円ずつ積立投資してできた778万円を、その後も2%で運用しながら20年間取り崩していくと、毎月約3.9万円受け取ることができ、収支はかなり改善します。現役時代だけでなく、このように老後も運用の力を組み込むと、労働収入を増やさずに家計を改善することができるのですね。もちろん、収入を増やすことができれば、その方がさらに安心です。下の子が小学生になったら、パートをスタートすることも検討すると良いですね。

    ★ここがアブナイ!★

    ・家賃支出が老後も続き、35年後に貯蓄が底をつく

    ・収入源が自分だけなので、転職、病気や親の介護など、減収リスクが高い

     おひとりさまの一番のリスクは、収入源が一つしかないこと。何かあった時に頼れる資産をできるだけ増やしておくのが安全です。このケースでは、実は毎年140万円ほどの貯金ができており、順調に増やしているように思えますが、それでも39年後にはなくなります。転職などを余儀なくされ、減収するリスクもあるため、もう少し資産形成のスピードアップが必要ですね。

     また、ケース1も同じですが、シミュレーション上では、物価上昇を考慮し、生活費を年1%ずつアップさせる一方、収入は増えない想定で算出しています。金利がほぼない預貯金だけでは、物価上昇した場合に、お金の価値が目減りするため、一部は株式投資など、物価上昇に応じて資産価値を守れる手段で資産形成をすることをおすすめします。

     このケースでは、収入や支出は見直さず、貯金のうち月3万円を積立投資に回して資産形成した場合のシミュレーションをみてみましょう。

    貯金のうち月3万円を投資に回した場合>>

     貯金の一部を運用に回し、老後も運用を続けながら取り崩すことで、家計はだいぶ改善しました。とはいえ、資産寿命は35年から5年間延びたものの40年後には底を突き、運用も予定どおりにいかない可能性もあるでしょう。早急な支出の見直しと、収入源となるものを会社以外にも作れるよう、今から準備を始めると安心です。

     子どものいない共働き世帯によくある特徴の一つが、財布が別々、それぞれが自由にお金を使い、その結果ほとんど貯まらない家計です。そんなケースを紹介しましょう。

    ★ここがアブナイ!★

    ・家を購入したことで一生賃貸の場合より住宅費負担は下がるが、22年後に残高0円に

     お互い自由に自分の稼ぎからお金を使い、生活費や外食費も膨らみがちなのが子どものいない共働き世帯の特徴。それでも世帯収入が高いため、現役時代の資産は豊かにみえます。しかし、老後も環境は変わらないため、意外と生活レベルを見直せない可能性が高いのです。50歳を超えたら、家計の状況を2人で共有して、お金の使い方にメスを入れて、老後に向けた資産形成を進めるべきでしょう。

     このケースでは、生活費を月8万円削減、また、おこづかいを中心に、年間の臨時支出を20万円減らし、マイホーム予算を200万円下げることによって、次のように改善しました。

    生活費を月8万円、年間の臨時支出を20万円削減、マイホーム予算を200万円減らした場合>>

     この改善例では、積立投資はしておらず、すべて貯金のみでシミュレーションしています。38年後の88歳時点で資産残高が0円となりますが、ケース1、ケース2と同じように積立投資を組み込めば、資産寿命はぐんと延びることでしょう。

     ここまで三つのケースを紹介してきましたが、それぞれ、生活費の見直しや、貯金の一部を投資に回すことで、大きく改善したことがお分かりいただけたかと思います。

     将来的にお金が足りるかどうかを判断するには、ライフプラン、マネープランをしっかり立ててシミュレーションをしてみることがとても重要です。今回紹介したシミュレーションはExcel等で作れますので、ぜひ一度試してみることをおすすめします。

     資産形成の大切さに気が付いたら、貯金や投資を続けられる積立の仕組みを作ってしまいましょう。忙しい生活の中でも、気が付いたら資産が大きく育っていて、嬉しくなるはずです。

    (ライフヴェーラ代表/みらい女性倶楽部 鈴木さや子)

    (イラスト・小林麻美)

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