教養・歴史書評

路上も電車も学校も。すべて男性優位社会、ニッポン=ブレイディみかこ

いい加減、習俗打破せよ 男性優位主義社会=日本=ブレイディみかこ

×月×日

「ああ、習俗打破! 習俗打破! それより他には私たちのすくわれる途(みち)はない。呪(のろ)い封じ込まれたるいたましい婦人の生活よ! 私たちはいつまでもいつまでもじっと耐えてはいられない。やがて──、やがて──。」

(『「青鞜」女性解放論集』堀場清子編、岩波文庫より)

 百年以上前に伊藤野枝が書いた文章だ。彼女が切望した「やがて」はいったいいつ訪れるのであろうか。訪れるどころか遠ざかってないかと思ったりもする。『マチズモを削り取れ』(武田砂鉄著、集英社、1760円)で日本の現状を読んでの正直な感想である。

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