教養・歴史書評

『百間、まだ死なざるや』 山本一生著 中央公論新社 3960円

『百間、まだ死なざるや』 山本一生著 中央公論新社 3960円

 夏目漱石の門下生で『阿房列車』など名文家として著名な内田百間の評伝。日記や手紙など膨大な資料を当たり、陸軍や海軍の学校、法政大で教鞭(きょうべん)を執り相当の収入があったものの法外な借金を重ねた奔放な人生を明らかにする。頑固で変人の印象が強いが、実は人を呼んでごちそうするのが好きだったという。大学生が飛行機を操縦して訪欧するのを後押しするなど面倒見が良く、学生たちに慕われた。温かみを感じさせる意外なエピソードが満載だ。(W)

インタビュー

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事