教養・歴史 書評 『くらしのアナキズム』 松村圭一郎著 ミシマ社 1980円 2021年10月22日 『くらしのアナキズム』 松村圭一郎著 ミシマ社 1980円 アナキズムといっても、革命で政府を転覆させる話ではない。国家なき社会を研究する人類学の視点から、人類は国家がなくても、むしろ国家権力から逃れて、自ら秩序を保ち力を合わせて生きてきたことを本書は描く。権力による強制がないなかで、どう自由と平等を実現するのか。共同体の意思決定は同意に基づき、民主的に行われる。市場は非日常の自由空間だ。政治や経済が息苦しさを増す現代、アナキズムは自分たちの力を取り戻す足場になる。(A) 前の記事 9月23~29日(ビジネス/新書) 次の記事 10月7~13日(ビジネス/ノンフィクション) 文字サイズ 小中大 印刷