教養・歴史 書評

『最後の防衛線 危機と日本銀行』 中曽宏著 日経BP 4620円

『最後の防衛線 危機と日本銀行』

中曽宏著 日経BP 4620円

 日本銀行での40年間、著者は三つの危機に対峙(たいじ)した。1990年代後半の金融危機では、「最後の貸し手」として破綻金融機関の処理に当たり、金融システムの崩壊を瀬戸際で食い止めた。2008年のリーマン・ショックでは、各国の中央銀行と協定を結んでドルを供給し、国際金融システムを守った。そして13年にリフレ政策へと転換し動揺する日銀内部において、副総裁として融和に努め、組織の瓦解(がかい)を防いだといえる。実務家による貴重な記録。(A)

インタビュー

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月25日号

2024年3月期決算で優劣 メガ 地銀 ネット銀第1部 業績分析&ランキング14 「金利ある世界」へ一変 112行の稼ぐ力に格差■杉山敏啓18 巨額の外債損失 きらやか、清水、農林中金… 運用能力で地銀二極化も■伊藤彰一21 ネット銀行 コロナ禍で資産規模が膨張 住宅ローンで存在感大きく■佐々木城夛 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事