教養・歴史アートな時間

南仏の移民家族のヤングケアラーがアリアを歌う=野島孝一

©2021 -Single Man Productions - Ad Vitam - JM Films
©2021 -Single Man Productions - Ad Vitam - JM Films

映画 母へ捧げる僕たちのアリア

オペラの魅力を背景に母を介護する移民四兄弟描く

 ひところ低迷していたフランス映画だが、近年は若い力が台頭し、活況を呈している。例えば、カンヌ国際映画祭審査員賞の「レ・ミゼラブル」を監督したラジ・リ、「GAGARINE/ガガーリン」のファニー・リヤタール&ジェレミー・トルイユ。そして、この映画のヨアン・マンカ監督だ。いずれも長編映画初監督作品だが、共通するテーマがある。それは、現代フランスが直面する移民社会の不安定さだ。ちなみに「レ・ミゼラブル」は、ヴィクトル・ユゴーの名作映画化ではない。移民が多く住む団地を警邏(けいら)するパトカーの警官の話だ。

「母へ捧(ささ)げる僕たちのアリア」は、南仏の海沿いの町の古びた団地に住む移民四兄弟の四男、ヌール(マエル・ルーアン=ブランドゥ)をめぐる話だ。中学生のヌールは、兄3人とともに、重病で昏睡状態にある母親の介護をしている。父親の姿はなく、収入はかつかつ。そんな環境の中でヌールは日本でも問題になっているヤングケアラーをしている。

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