教養・歴史アートな時間

「弟のことだけを思いました」 白鸚80歳、吉右衛門の当たり役に初挑戦=小玉祥子

令和4年9月『松浦の太鼓』 松浦鎮信=松本白鸚 ©松竹
令和4年9月『松浦の太鼓』 松浦鎮信=松本白鸚 ©松竹

舞台 秀山祭九月大歌舞伎 二世中村吉右衛門一周忌追善

松浦の太鼓

 大石内蔵助率いる赤穂浪士が吉良上野介を討ち、主君・浅野内匠頭の敵を取った事件が起きたのは元禄15(1702)年12月。浪士たちは忠臣として称賛され、浄瑠璃や歌舞伎の題材となり、寛延元(1748)年に人形浄瑠璃で初演され「仮名手本忠臣蔵」は大ヒットを記録し、歌舞伎化もされた。その後、人気にあやかり、周辺の人物を主役に仕立てた「外伝物」も多く誕生した。

 そのひとつが歌舞伎座の「秀山祭九月大歌舞伎 二世中村吉右衛門一周忌追善」第二部で上演中の「松浦の太鼓」である。主人公の平戸藩主・松浦鎮信(しずのぶ)は初代中村吉右衛門が得意とし、養子で昨年没した二代吉右衛門にも受け継がれた。同公演では、その鎮信に二代吉右衛門の実兄、松本白鸚(はくおう)が80歳にして初挑戦している。

残り914文字(全文1280文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月6日号

上がる金&揺らぐドル 史上最高値への地殻変動16 米実質金利との逆相関 崩れた背景に中銀の買い ■村田 晋一郎/谷道 健太19 これで分かった! 「金」の基礎知識 Q&A ■池水 雄一 徹底展望 2023年末 金価格の見通し22 2300ドル 非民主的国家が買い増し 西側への不信で分断拡大 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事