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コロナ禍とウクライナ侵攻というこの時代に「読み直し」がなされたドイツ歌曲とは 梅津時比古

クラシック 歌曲(リート)の森

詩と音楽 Gedichte und Musik

シューベルト、ベートーベン、ブラームス 「歌曲シリーズ」を堪能する

 今秋の音楽界でいちばん楽しみなのは、10月に久々に行われるトッパンホールの「歌曲シリーズ」である。このシリーズは、一見、古典的で平穏なイメージの付着する「ドイツ歌曲」のジャンルを中心にしながら、実は時代の問題意識を共有し、常に先端を走る新鮮さにあふれている。今回、中心を担っていたプレガルディエン(テノール)とゲース(ピアノ)が再び登場する。

 プレガルディエンとゲースの演奏が常に新鮮であるのは、彼らが伝統の「読み直し」を行っているからである。たとえば、前衛音楽も時と共に古くなる。しかし、古典でも現代の視点から「読み直し」を行うことによって、常にそれは現代化される。私たちにとって今、現在の問題意識としての歌曲演奏として、迫ってくるのである。

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