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経済・企業株式市場が注目!海外企業

研究開発に売り上げの5割超投入 米EV充電網トップのチャージポイント 児玉万里子

米国ロサンゼルス市にあるチャージポイントの充電装置(Bloomberg)
米国ロサンゼルス市にあるチャージポイントの充電装置(Bloomberg)

ChargePoint 米政権後押しのEV拡大を支える/48

 EV(電気自動車)の普及が進むなかで、充電インフラの整備が急務となっている。米バイデン政権も、2021年11月成立のインフラ投資雇用法において、EV用充電網の整備のために75億ドル(約1兆500億円)の予算を計上し、EV充電ネットワークの拡充を図る方針を示した。米国の充電ネットワーク企業のトップに立つチャージポイントも、こうした流れのなかで事業の拡大を目指している。

 EV充電装置(ポート)は充電性能によって、レベル1からレベル3に分けられる。レベル1は主に住居用、レベル2は住居、公共スペース、オフィス等用で、最も普及している。そして、レベル3は高速充電で、多額の設備コストがかかるが、目下急増中だ。充電装置を備えた充電用のスペース(充電ステーション)の事業者の多くは、複数のステーションをネットワーク化して運営している。

北米で首位

 米国カリフォルニア州を拠点とするチャージポイントは07年に設立され、21年3月に株式を上場した。北米および欧州で事業を展開し、北米ではステーション数で2位以下を引き離した充電ネットワーク事業者のトップだ。充電装置はレベル2が中心だが、レベル1からレベル3のすべてを手がけているのが特色だ。22年7月末時点の同社の充電ポート数は20万口以上、さらにエリア外の他社ネットワークと接続するローミングサービスは35.6万口に上る。

 チャージポイントの売上高の柱は二つある。第一はEV用充電システムのハードウエアの製造販売、第二は充電システム関連のソフトウエアの提供や部品販売・修理などの課金サービスである。ハードウエアの設計・企画は自社で行っているが、製造はメキシコなどの外部の製造業者に委託。同業他社と異なり、自社で充電設備を保有、運営して利用者から充電料金を受け取ることはほぼしておらず、ハードウエアのみの売り切りもしていない。

投資先行で赤字続く

 チャージポイントの売上高は、21年1月期はコロナ禍の影響で前年からほぼ横ばいだったが、22年1月期は前年から65%増え、2億4100万ドル(約337億円)に達している。そのうちハードウエアの売上高は1億7400万ドル(約243億円)。レベル2の充電装置を1台平均4000ドルと仮定すると、4万3000台分に相当する勘定だ。

 ハードウエアの販売と課金サービスを比べると、課金サービスの粗利益(売上高-製造原価)が大きく、その粗利率(粗利益÷売上高)は40~50%に達している。一方、ハードウエアの販売は、20年は新発売のレベル3製品のコスト増により粗利益段階で赤字だったが、その後は粗利益も出ており、22年の粗利率は15.5%まで上昇している。他の設備メーカーの利益の構造と同じく、チャージポイントも課金サービスで稼ぐ形を作り上げている。

 同社では粗利益は確保されているが、営業利益(粗利益-販売管理費)はいまだに出ていない。営業損失額は22年1月期に増えているが、その理由は研究開発費、販売管理関係の人件費、買収関連手数料などが膨らんだためである。とくに、…

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