香港映画界の名監督7人による七重奏は哀惜だけにとどまらない 芝山幹郎
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映画 七人樂隊
企画当初、この映画の題名は「八部半」と予定されていた。フェデリコ・フェリーニの名作を意識した題だが、8人の監督の一員に決まっていたジョン・ウーが、体調不良のために離脱を余儀なくされてしまった。代わりにつけられた題が「七人樂隊」。ジョニー・トー、アン・ホイ、リンゴ・ラムといった錚々(そうそう)たる顔ぶれによる「香港七重奏」がこの映画だ。
だれしも知るとおり、1997年、香港は英国から中国に返還された。以後25年が経ち、あの土地を取り巻く環境はがらりと変わった。私も90年代以降、あの街を徘徊(はいかい)しなくなった。
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