ウクライナへの戦車供与めぐりドイツで激論 熊谷徹
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ドイツでは、同国製のレオパルト2型戦闘戦車(メインバトルタンク、MBT)をウクライナ政府に供与するべきかどうかについて、激しい議論が起きている。
ドイツの日刊紙『シュツットガルター・ツァイトゥング』は9月13日付電子版で「連邦議会欧州委員会のホーフライター委員長(緑の党)は、ウクライナが希望する戦闘戦車レオパルト2と装甲兵員輸送車マルダーを、一刻も早く供与するべきだと主張した」と報じた。同氏は「ウクライナ政府は、自国からロシア軍を撃退するために、戦闘戦車を必要としている」と述べた。
ドイツ日刊紙『南ドイツ新聞』の9月12日付電子版は、「連邦議会国防委員会のツィンマーマン委員長(自由民主党=FDP)も、『ウクライナはこの戦争に勝たなくてはならない。ウクライナにレオパルト2を供与するべき』と語った」と報じた。
緑の党とFDPは、連立与党の一部で、ホーフライター氏とツィンマーマン氏は、与党内でウクライナへの重火器の供与に最も積極的な政治家だ。野党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)もレオパルト2とマルダーの供与を要求している。
これに対しショルツ首相と社会民主党(SPD)は、レオパルト2とマルダーの供与に反対している。ドイツの日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』の9月25日付電子版は、「ショルツ首相は、ウクライナへの武器供与についてドイツが独り歩きするべきではないと強調し、米国との協議が必要だと繰り返す。しかし米国は、欧州諸国が独自判断で重火器を供与することに反対していない」と報じ、「首相は欧州でリーダーシップを握ることをためらっている。戦闘戦車の供与がロシアを…
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週刊エコノミスト
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