テクノロジー

今は過度な期待のピーク期、「メタバース=仮想現実」ではない(編集部)

 もはや流行語ともいえるメタバースとWeb3.0。しかし、新しい技術は期待と幻滅を繰り返すのが歴史の教訓だ。>>特集「メタバース&Web3.0のすごい世界」はこちら

 未来につながる新しい成長分野として期待が高まっているメタバースとWeb3.0。しかし、IT情報会社のガートナーは、メタバースとWeb3.0は現在、「過度な期待のピーク期」にあると分析する。

 同社は、さまざまテクノロジーの普及までの道のりを、「黎明(れいめい)期」「過度な期待のピーク期」「幻滅期」「啓発期」「生産の安定期」という時系列で分類。それぞれのテクノロジーがどこに位置するかを「ハイプ(誇大)・サイクル」という図で示している。

 同社のアナリスト亦賀忠明氏は、「日本でメタバースは“お祭り状態”」だという。問い合わせの件数や顧客との対話で話題になることが急速に増えている。パソコンやスマホ、あるいはゴーグルなどを利用すれば、仮想現実(バーチャルリアリティー、VR)の世界が見た目に分かりやすので、いろいろな層の関心を集めやすいことが大きい。

 ただ、そのせいもあって「メタバース=仮想現実」という理解にとどまっていることが多く、今の過熱した期待は1〜2年で冷めていく可能性が高いとみている。

「フルデジタル」の時代

 しかし、メタバースがもたらす本当の社会の変化はこれからで、その重要性を認識している人はそう多くない、というのが亦賀氏の見立てだ。

 同社は、メタバースは単に仮想現実だけでなく、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、高速通信規格5G・6G、ブロックチェーン、分散クラウド、自動運転など、さまざまデジタル技術が…

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週刊エコノミスト

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