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教養・歴史 アートな時間

弾きたい曲を自由に弾ける全国大会 小中高生の輝きに触れる 梅津時比古

高校の部 板戸耀央=横浜市戸塚区の区民文化センターさくらプラザ・ホールで2021年12月1日 竹内紀臣撮影
高校の部 板戸耀央=横浜市戸塚区の区民文化センターさくらプラザ・ホールで2021年12月1日 竹内紀臣撮影

クラシック 第76回全日本学生音楽コンクール全国大会 in 横浜

 子どもが描いた絵に心を打たれたことは誰にでもあるだろう。なまじな大人よりも、いやそれどころか、れっきとした画家の作品よりも、魅せられてしまうこともしばしばある。邪心が無く、発想が自由だからと理由づけてはみるが、そんな簡単に説明できないほどの魅力にあふれていることもある。よく言われるように、ピカソなどの巨匠が子どもの絵のような魅力を持っていることも、興味深いことだ。

 絵画だけではなく、クラシック音楽にもそれはある。極端に言えば、小学生が弾くモーツァルトの魅力には、大人の演奏家も及ばないことが多いのである。

 そこでお薦めしたいのが、11月24日から横浜みなとみらいホールで始まる全日本学生音楽コンクール全国大会(毎日新聞主催、NHK後援)。東京、大阪など5大会で、ピアノとバイオリンは小・中・高、フルートは中・高、声楽とチェロは高・大に分かれ、予選、本選を行う。そこを通った人だけが全国大会に出場する。

 この全国大会には、出場者に課題曲が与えられない。各自が弾きたい曲を弾いてよいことになっている(演奏時間は制限される)。各大会ですでに課題曲を見事に弾いて選ばれた人たちだけが出場しているので、ここでは本人の自主性を多いに発揮してもらおうという趣旨である。これが実は、出場者の演奏を魅力的にしている大きな要素となっている。自分の好き…

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