車載やVRに活路を探る液晶パネルメーカー 津村明宏
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コロナ特需の反動や世界的なインフレで、液晶ディスプレー市場が低迷している。各社は有機ELへのシフトや成長分野への展開に活路を見いだしている。
液晶メーカーは赤字転落、有機EL専業は過去最高の業績/66
液晶や有機ELを中心とする電子ディスプレー業界は今、2008~09年のリーマン・ショック以来となる深刻な不況に見舞われている。コロナ禍で巣ごもり需要が拡大し、テレビやパソコン、タブレットが売れに売れた19~20年の反動に加えて、ロシア・ウクライナ戦争に伴う欧州市場の低迷、中国経済の成長停滞、世界的なインフレなどが追い打ちをかけ、需要が急激にしぼみ、大量の在庫を抱えるかたちとなっている。
主要メーカーの業績も悪化する一方だ。液晶を主力とする台湾の2大パネルメーカーであるAUO(友達光電)とイノラックス(群創光電)は、ともに21年4~6月期から営業赤字に転落。直近の22年7~9月期は、両社ともに前年同期に比べて売上高が半減し、100億台湾ドル(約460億円)以上の営業赤字に陥った。昨夏から始まった液晶パネルの価格下落がいまだ止まらず、大半のサイズで原価割れに陥っているのが主因だ。在…
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週刊エコノミスト
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