團十郎家「家の芸」で最も華やかな「助六」を堪能する 小玉祥子
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舞台 市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿
襲名披露 十二月大歌舞伎
八代目市川新之助初舞台
市川團十郎家の「家の芸」である「歌舞伎十八番」で最も華やかな演目が「助六(すけろく)由縁(ゆかりの)江戸桜(えどざくら)」だろう。
12月の東京・歌舞伎座は11月に続き「十三代目市川團十郎白猿(はくえん)襲名披露」が行われている。夜の部の最後の演目が、その「助六」。
新・團十郎が演じる江戸一番の伊達男、花川戸助六の正体は「曽我兄弟の仇(あだ)討ち」で知られる曽我五郎。宝刀の友切丸を探すため、江戸・吉原に日参している。人気者の助六を遊女たちももてはやす。
助六には吉原随一の人気を誇る遊女・揚巻という恋人がいる。揚巻は髭の意休という金持ちが言い寄ってきても相手にせず、助六を「雪」、意休を「墨」に例えてはねつける。
助六は意休の刀を見ようとわざと喧嘩(けんか)を仕掛け、くわんぺら門兵衛や朝顔仙平らの子分たちをやりこめる。そこに現れたのが白酒売(しろざけうり)新兵衛(しんべえ)と名乗る兄の曽我十郎。喧嘩ばかりしている助六を叱るが、助六は友切丸を探索しているのだ、と真意を打ち明ける。
二人は通りかかった国侍(くにざむらい)や通人(つうじん)里暁(りきょう)などに喧嘩を仕掛ける。そこに揚巻に連れられ侍が登場する。その正体は意外な人物であった。
舞台となるのは吉原随一の格式を誇る「三浦屋」の見世先。桜の吊り…
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週刊エコノミスト
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