教養・歴史書評

『天路の旅人』 沢木耕太郎著 新潮社 2640円

『天路の旅人』 沢木耕太郎著 新潮社 2640円

 第二次大戦末期、日本の“密偵”として中国大陸奥地へ潜入、敗戦後もチベットやインドなどを放浪し続けた日本人がいた。その名は西川一三。著名作家が8年に及ぶ歩みを生前の本人への取材や残った記録を基に再現、彼の内面に迫った。チベット仏教の修行僧になりすまし、幾多の死線を越え、自然や重厚な歴史に感動し、貴重な経験を積み重ねた。帰国してからの淡々とした生活とは対照的。その壮大な旅路に感動を覚えずにいられない。(W)


週刊エコノミスト2023年1月17日号掲載

『天路の旅人』 沢木耕太郎著 新潮社 2640円

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