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経済・企業 挑戦者2023

野球グラブを買い取り再生――米沢谷友広さん

よねざわや・ともひろ 1982年秋田県生まれ、小学校3年生から野球を始める。秋田商業高校時代の2000年夏、県大会で優勝して甲子園切符を手に入れるも、甲子園ではベンチ外。神奈川大学を卒業後、スポーツ小売り大手のゼビオ、アマゾンジャパンを経て、17年にグローバルポーターズを設立。40歳。(撮影 武市公孝)
よねざわや・ともひろ 1982年秋田県生まれ、小学校3年生から野球を始める。秋田商業高校時代の2000年夏、県大会で優勝して甲子園切符を手に入れるも、甲子園ではベンチ外。神奈川大学を卒業後、スポーツ小売り大手のゼビオ、アマゾンジャパンを経て、17年にグローバルポーターズを設立。40歳。(撮影 武市公孝)

グローバルポーターズ代表取締役 米沢谷友広

 野球用品は年々価格が上昇している。中古野球グラブの再生ビジネスに取り組む。(聞き手=和田肇・編集部)

>>連載「挑戦者2023」はこちら

 キッズ(幼児)向け野球グラブなどを中心としたスポーツ用品の企画、インターネット販売と野球グラブを買い取り、修理、再生して販売する事業「Re-Birth」(リバース)を展開しています。2017年に会社を立ち上げ、最初はキッズ向け野球用品のネット販売を始め、20年2月からオンライン限定で「Re-Birth」をスタートしました。この事業は実店舗も必要になったので、現在は東京都大田区蒲田と世田谷区、多摩市、東村山市で計4店舗を構えています。

買い取ったグラブ(左)と修理後のグラブ(右) グローバルポーターズ提供
買い取ったグラブ(左)と修理後のグラブ(右) グローバルポーターズ提供

 買い取りに際しては査定基準を設けており、最低でも100円以上で買い取るようにしています。硬式、軟式、ソフトボール用グラブなどすべて買い取り対象で、買い取り後は当社に4人いるグラブ職人が単に修理するだけでなく、革を張り替えたりしてより使いやすく再生します。それなりの新品の硬式用グラブだと6万円ぐらいしますが、再生グラブだと、その3分の1から半分程度の価格になります。

「孫にプレゼントしたい」

 品質基準も設けており、1年間の保証も付けています。買い取りだけでなく、個人や野球競技団体からのグラブの寄贈も多いです。通常のグラブ修理も行っており、「Re-Birth」の売り上げの半分は修理。修理の利用者は高校生が多いですね。「硬式用のグラブは高いので、今使っている軟式用を硬式用にアップグレードしてほしい」という高校生もいますし、年配の方で「自分のグラブを孫にプレゼントするので修理してほしい」という人もいます。

 秋田県横手市の出身で、小学3年生の時に野球を始めました。以降はずっとピッチャーで、秋田商業高校時代は主に中継ぎ、抑え役でした。高校3年だった00年の夏、県大会で優勝して甲子園の切符をつかみましたが、甲子園ではベンチ外。ケガもあったので、プレーヤーとしては高校までと決めました。そのころから、将来は野球に関係する会社を起業しようと思っていました。

 大学は経営学部に進み、卒業後はスポーツ用品小売りのゼビオ、アマゾンジャパンを経て、自分でためたお金を元手に、この会社を設立しました。アマゾン時代にスポーツやレジャー用品の商品統括の仕事をしていたため、野球用品関係の人脈ができたことで、ベンチャーキャピタルからの支援を受けなくとも起業までは比較的順調でした。

「Re-Birth」を立ち上げたのは、野球グラブの値段が高いという声を聞いていたのと、野球用品でもサーキュラーエコノミー(循環型経済)が必要だと考えたからです。野球人口の減少が話題になっていますが、幼児向けの野球用具の不足や女子野球の拡大など、まだまだチャンスはあります。私たちは野球にかかわるビジネスは何でも手掛ける「トータルベースボールカンパニー」を目指しています。


企業概要

事業内容:野球グラブの買い取り再生、野球用品販売

本社所在地:東京都大田区

設立:2017年3月

資本金:1000万円

従業員数:16人


週刊エコノミスト2023年3月7日号掲載

挑戦者2023 米沢谷友広 グローバルポーターズ代表取締役 野球グラブを買い取り再生

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