10年ぶりの「陰陽師」は古典様式の新作 隼人に染五郎ら花形俳優が競演 小玉祥子
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舞台 鳳凰祭四月大歌舞伎 新・陰陽師 滝夜叉姫
夢枕獏作の伝奇小説を原作にした新作歌舞伎「新・陰陽師(しんおんみょうじ) 滝夜叉姫(たきやしゃひめ)」が、4月歌舞伎座の「鳳凰祭(ほうおうさい)四月大歌舞伎」昼の部で上演されている。「歌舞伎座新開場杮葺落(こけらおとし)」興行の一環として2013年9月に当時の花形俳優により上演されたのが「陰陽師 滝夜叉姫」で、以来10年。今回は市川猿之助の新脚本・演出により、次代を担う花形俳優が主要な役を勤める古典様式の新作に生まれ変わった。
卓越した能力を持つ陰陽師・安倍晴明を中村隼人、その相棒で笛の名手・源博雅を市川染五郎が勤める。
舞台は平安時代。平将門の乱の平定を命じられた俵藤太(藤原秀郷)は、帝(みかど)の寵愛(ちょうあい)を受ける桔梗(ききょう)の前を自身に差し向けることを条件にした。そこに現れた陰陽師・蘆屋道満(あしやどうまん)が将門を討つための鏑矢(かぶらや)を藤太に授ける。東国に旅立った藤太と桔梗の前は将門を討つが、将門の首は飛び去る。
晴明と博雅が出会った糸滝と名乗る女の正体は将門の妹・滝夜叉姫。将門の霊は死して後もよみがえっての再挙をはかり、妨げとなる藤太と晴明の命を断てと滝夜叉姫に命じた。将門をよみがえらせようとする興世王(おきよおう)らと晴明たちの戦いが始まる。
原作小説は1986年に1作目が発表され、人気シリーズとして書き続けられ、映画、テレビドラマ、漫画になっている。
将門が坂東巳之助、藤太が中村福之助、桔梗の前が中村…
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週刊エコノミスト
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