浜田健太郎／村田晋一郎

2023年7月3日

編集部から

　今から二十数年前、ある男性から同性愛者であることを告白された。「おまえのことが大好きだ」とも言われた。その時の受け止めを鮮明に覚えている。「いかなる感情も湧き上がってこない」だった。

　当時私は既婚だった。相手が女性であればやっぱりうれしかっただろう。同性に恋愛感情を持つことが、観念上は認識できても、心身では理解できないことを経験した。

　その男性とはその後2回会い、7年前にある政治家を巡って口論となり以降連絡を絶った。その人がゲイであることを理由に忌避したのではない。

　先日国会で成立した「LGBT法」は「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消」を目的にしている。あらゆる差別は許されない。憲法14条がそう定めている。しかし、心の動きに踏み込んで差別だと指弾されるなら、それは恐ろしい社会である。

（浜田健太郎）

　本号の第2特集で都市対抗野球特集を担当した。東京ドームのビールの売り子をしていた人のブログによると、1日のビールの売り上げが一番多かったのは、満員のプロ野球の試合ではなく、都市対抗野球の試合だという。都市対抗野球は多い日は1日3試合行われる。そしてお客は比較的ビールを飲む層である。さらに同じ職場などの団体客は、他の人の分までまとめて買うことがある。これだけ条件がそろえば売れる。

　私も学生時代に神宮球場で売り子のバイトをしたが、昼が学生野球、夜がヤクルトスワローズ（当時）のダブルヘッダーで入った時には1日の稼ぎも大きかった。学生野球ではあまり売れないが、高校野球で宗教系の学校の試合では、信者の団体客がいるとそれなりに売り上げが上がった。都市対抗野球もコロナ禍から正常化に向かっている。ようやくビールが楽しめる大会に戻ってきた。

（村田晋一郎）

　■次号のエコノミスト

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