『言語の本質』 今井むつみ、秋田喜美著 中公新書 1056円
『言語の本質』 今井むつみ、秋田喜美著 中公新書 1056円
なぜ人だけが言葉を持ち、子供はいかにして言葉を覚えるのか? 本質的な疑問を解こうと研究者が挑んだ。犬を「ワンワン」などと表現するオノマトペに着目し、子供がオノマトペを聞くことで母語の音の特徴や並び方など「言語の大局観」を得ていると分析。人間は他の動物より広域に生息し、多くの脅威に直面するため、その原因などを考える「アブダクション推論」のツールとして言語を獲得したと分析する。内容は専門的だが面白い考察が満載だ。(W)
週刊エコノミスト2023年8月8日号掲載
『言語の本質』 今井むつみ、秋田喜美著 中公新書 1056円