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週刊エコノミスト Online 編集後記

安藤大介/谷道健太

編集部から

「しまった、出遅れた」。羽田空港に隣接する駐車場を予約しようとネットで検索すると、お盆付近の日程は全て満車になっていた。

 帰りの飛行機の時間を考えると、公共交通機関で埼玉の自宅に戻るのは難しい。悩んでいて思い出したのは、かつて利用したことのあるシェア駐車場サービスだった。調べると、空港まで徒歩と電車で約30分の場所に、自宅駐車場を貸し出している人がおり、さっそく予約した。

 旅行当日。訪れた駐車場は民家軒先の幅180センチのスペースだった。家の壁にぶつからないよう気をつけながら、何度もハンドルを切っていると、エンジン音に気づいたオーナーが家から出てきて、誘導してくれた。

 このサービスがなければ一生縁がないはずの家の軒先を借り、安心して旅を楽しむことができた。「シェアリングエコノミーがもっと広がってほしい」と感じた夏だった。

(安藤大介)

 スマートフォンのニュースサイトを眺めていたら、奇妙な画像を見つけた。明治時代のような街並みの道を走る路面電車の屋根に瓦屋根が載っている。「画像生成AI(人工知能)」の画像だという。作成した人のツイッター(現X)を見ると、子どもの頃に絵本で見たようなレトロなデザインの車両の画像が多数載っていた。

 調べると、マイクロソフトのウェブ閲覧ソフトを使えば画像生成AIが無料で使えると分かった。「日本 ヤシの木 ビーチ」のようなキーワードを入力したら、日本家屋が並ぶ海辺の町にヤシの木が林立する奇妙な風景の画像が表示された。

 5月には「米国防総省庁舎のそばで大規模爆発」という説明文がついた写真がネットで広まり、米国株が急落する騒ぎがあった。画像生成AIを使ったフェイクニュースだ。

 何とも興味深く、悩ましい新技術だ。

(谷道健太)

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週刊エコノミスト2023年9月19・26日合併号掲載

編集後記 安藤大介/谷道健太

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