週刊エコノミスト Online書評

『ヒトラーの馬を奪還せよ』 アルテュール・ブラント著 筑摩書房 2640円

『ヒトラーの馬を奪還せよ』 アルテュール・ブラント著 筑摩書房 2640円

 第二次世界大戦時、ドイツのヒトラーが過ごした総統官邸前に、彼のお気に入りだった一対の巨大な馬のブロンズ像が鎮座していた。戦火で破壊されたはずのこの芸術作品が、数十年たち闇市場に現れたとの情報に接したすご腕の美術調査員が本物を追い掛けたドキュメントだ。関係者をたどり、各国を飛び回って真相を突き止める過程が実に面白い。旧東ドイツの秘密警察シュタージやナチスの残党が絡む美術品の闇取引の実態も明らかにしていて貴重だ。(W)


週刊エコノミスト2023年10月24日号掲載

『ヒトラーの馬を奪還せよ』 アルテュール・ブラント著 筑摩書房 2640円

インタビュー

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事