中西拓司/岩崎誠
編集部から
「AI(人工知能)を導入して業務を見直したら?」。ある役所が中学校の授業の一環で、業務の効率化を生徒に提案してもらったところ、ほとんどが「AIの導入」を提案する意見だったという。
AIは最適な解を出すのかもしれない。しかし、病人の治療で、経験豊かな医師とAIの判断が違う場合はどうしたらいいのか? 最近はAIの判断根拠について「見える化」する試みも進んでいるが、医師の説明さえ「わかりにくい」と思っている患者が多い中、AIの判断根拠を説明できるのだろうか。
もっと心配なのは、重大な判断でも人間が自己で決定せず、AIに「丸投げ」する傾向が強まるのではないかということだ。「具体的にどう見直したらいいかについては、何も提案がなかったですね」。役所の担当者は苦笑いしていたが、聞いていて何だか怖くなってきた。
(中西拓司)
『週刊エコノミスト』は今年、創刊100周年です。そのつながり(?)で言えば池波正太郎さんと司馬遼太郎さんはともに生誕100周年で、両巨匠の作品を読み返しています。お二人の交流が深かったことを最近、司馬さんの随筆で知りました。
その文章によると、池波さんは生粋の東京っ子ですが、東京自慢のようなことは大嫌い。ただ、1回目の東京オリンピックが近づく中でかつての東京が失われることに当惑し、せめてその姿を小説世界に残すべく書き始めたのが『鬼平犯科帳』だったそうです。
小誌と『鬼平』は無縁ではありません。主人公長谷川平蔵のオフィスとも言うべき「清水門外の役宅」が置かれた辺りに編集部があるのです。「100周年仲間」を意識し、世の中の役に立つ雑誌を作り続ける所存です。
(岩崎誠)
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