週刊エコノミスト Online編集後記

安藤大介/村田晋一郎

編集部から

「専門家もジレンマを抱えているのです」。11月7日号の特集「踊る!インド経済」を担当したが、やりとりしたインド研究者の言葉が印象に残っている。

「『インド人って何?』と易しく理解できるページを設けたい」。相談した研究者の答えは「それは難しい」だった。

 研究者が例に挙げたのは欧州だ。イタリア、ドイツ、フランスと国によって言語も文化も違う。全てを理解して「欧州人」を説明するのは困難だ。

 一方、インドは欧州に匹敵する面積の国土に、言語、宗教などが異なる14億人が暮らす。「『インド人って何?』というのは『欧州人って何?』と同等です」。そう指摘され、難しい相談をしていたことに気付いた。

 研究者自身も、インドの多様性が理解されていない日本で、どう説明するかに頭を悩ませることが多いという。私も理解を深めていきたい。

(安藤大介)

 最近、熊やイノシシなど野生動物が市街地に出没したり、人を襲ったりするという報道をよく目にする。熊に関しては、直接の原因は、主食であるドングリが今年は不作で、食料を求めて、山から市街地に下りてくるとのことだ。ドングリの生育自体は気象条件に左右されるため、近年の異常気象に原因を求める見方が強そうだ。

 一方で、太陽光発電や風力発電に原因を求める見方もある。太陽光発電のソーラーパネルや風力発電の風車が施設されて、森林が破壊され、野生動物の生活圏が狭まっている。ただでさえ行動範囲が狭くなった野生動物が、食料を求めて人の生活圏に出没していると見る向きもある。もちろんこの因果関係の検証は必要だろう。

 ソーラーパネルについては土砂災害の原因となることが指摘されているが、野生動物の生活圏を侵食することへの影響も考えるべきだろう。

(村田晋一郎)

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