カメラ11台で歴史超大作「ナポレオン」 健在なりリドリー・スコット監督 野島孝一
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映画 ナポレオン
80歳代後半を迎えたリドリー・スコット監督だが、まだまだ盛ん。このごろでは、さっぱり見かけなくなった歴史映画超大作の「ナポレオン」をホアキン・フェニックス主演で作り、世間をあっと言わせた。
そういえば、スコット監督の作品には、いつも驚かされてきた。「デュエリスト/決闘者」(1977年)で監督デビューしたが、古風なヨーロッパの決闘映画だった。それがいきなり宇宙へ飛んで、「エイリアン」(79年)、近未来社会を描いた「ブレードランナー」(82年)で気を吐く。SF映画監督になってしまったのか、と思ったころ、ラッセル・クロウとホアキン・フェニックス競演の古代ローマ史劇「グラディエーター」(2000年)が大ヒット。さらに痛快女性アクション「テルマ&ルイーズ」(1991年)や、戦争映画「ブラックホーク・ダウン」(2001年)を撮り、最近では「最後の決闘裁判」(21年)が評判になった。
それにしても「ナポレオン」とは、恐れ入った。壮大な規模が要求され、膨大な製作費がかかるのは目に見えている。成功すればまだしも、失敗したら目も当てられない。それでも挑んだのは、スコット監督が、この映画にかけた執念だろう。スコット監督はスタンリー・キューブリック監督を尊敬していたが、キューブリック監督が最後まで撮りたがっていたのが、「ナポレオン」だという。偉大な監督同士の引き継ぎなのか?
ナポレオンはその生涯のうち、1793年から1815年までのあいだに61回戦い、戦死者は100万人以上に上った。希…
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週刊エコノミスト
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