教養・歴史アートな時間

上野の森の音の饗宴が20周年 想像力引き出す新演出も 梅津時比古

指揮者のマレク・ヤノフスキ ©青柳聡 東京春音楽祭2016
指揮者のマレク・ヤノフスキ ©青柳聡 東京春音楽祭2016

クラシック 東京・春・音楽祭2024

 東京・上野の「東京・春・音楽祭2024」に世界各地の演奏家が来る。このほど発表された概要によると期間は来年3月15日から4月21日まで。東京文化会館をはじめ、上野かいわいの美術館、博物館などでオペラから独奏まで音の饗宴(きょうえん)が繰り広げられる。来年は創設20周年で一層充実、特に歌は豪華絢爛(けんらん)だ。

 この音楽祭の伝統になったワーグナーの楽劇は、コロナ禍で延期された《トリスタンとイゾルデ》。陶酔的な暗い愛を堪能したい。一般的な演奏会形式とは異なり、さまざまな手法で想像力を引き出す「新たな演出」ともいえる舞台で魅了する。満を持しただけあって、ヤノフスキ指揮NHK交響楽団、トリスタンにスチュアート・スケルトン(テノール)、イゾルデにビルギッテ・クリステンセン(ソプラノ)、マルケ王にフランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ(バス)など、実力派が集結する(3月27、30日、東京文化会館大ホール)。

 第5回となるプッチーニ・シリーズは今回、人気の《ラ・ボエーム》。ミミにセレーネ・ザネッティ(ソプラノ)、ロドルフォにステファン・ポップ(テノール)らがモランディ指揮東京交響楽団をバックに、青春の愛憎を繰り広げる(4月11、14日、同)。またムーティ指揮東京春祭オーケストラによるヴェルディの壮大な《アイーダ》(4月17、20日、同)、ヴァイグレ指揮読売日本交響楽団のR・シュトラウス《エレクトラ》の異様な世界も見逃せない(4月18、21日、同)。

 この音楽祭は充実…

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