相次ぐ米経済の改善数値 大統領選でバイデン氏への追い風にも 岩田太郎
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米ミシガン大学が1月19日に発表した1月の消費者信頼感指数は速報値で78.8と、2021年7月以来の高水準を記録した。12月の69.7からおよそ9ポイントの大幅な上昇であり、大統領選挙を11月に控えて、「消費者のマインドが持ち直せば、不人気のバイデン大統領の支持率が改善する」との見方も出ている。
米紙『ワシントン・ポスト』は1月19日付の記事で、「ガソリン価格は消費者が経済を楽観するか悲観するかの重要な目安だが、(米消費者物価が前年同月比9.1%上昇したピーク時の)22年6月と比較して40%も下落している。失業保険申請も過去1年で最低水準にあり、ホリデーシーズンにおける自動車・衣服・スポーツ用品の販売が伸びた。米国人はついに経済がよくなってきたと感じているようだ」と解説した。
民主党のオバマ政権の経済スタッフで、現在は米独立系調査企業のウルフ・リサーチで米政治・政策部門を率いるトービン・マーカス氏は同記事で、「有権者は頭脳レベルでいまだにバイデン大統領に経済面で失策があったと考えているかもしれないが、(マインドの改善で)非常に強い不満が縮小し続ければ、政治面でバイデン大統領に大変有利となる」と語った。
トランプ政権の経済ブレーンを務め、現在は保守派経済学者として活動するスティーブン・ムーア氏も、「過去1年で米経済は確実に改善したことに疑いはない」と同記事で認めた。
その上でムーア氏は、「数カ月前と比較して消費者のマインドは顕著によくなっているが、彼らは真に暮らし向きがよくなったと感じておらず、非常に楽観的になったわけでもない。24年の米経済は、少なくとも現段階では絶好調ではないからだ」と主張した。
米ニュースサイトの「クォーツ」は1月11日付の記事で、消費者が最も敏感に反応する食品価格について、「米労働省統計局のデータを基に12月のインフレを見ると、ハムが前月比でマイナス…
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週刊エコノミスト
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