週刊エコノミスト Online編集後記

中西拓司/位川一郎

編集部から

 久しぶりに行きつけの中古レコード販売店に立ち寄ったら、アナログレコードが値上がりしていた。中古品販売大手ブックオフも、レコードの買い入れを強化しているという。

 1970~80年代に流行した日本のアーティストの楽曲が「シティーポップ」として世界的に再評価されていることに加え、新発売されるレコードの価格が値上がりしていることも影響しているのではないか。最近はカセットテープも人気だ。

 レコードと比べて値下がりしているのがCDだ。CDが普及し始めたころはレコードが二束三文で売られていた。

 インターネット配信でCDやレコードなどの「物」がなくても音楽を楽しめる時代。レコードやカセットテープと、CDとの明暗を分ける「令和ブームの法則」がわかれば、ビジネスや雑誌づくりに生かせるかも、と打算的なことを考えている。

(中西拓司)

 今年の春闘は「賃上げを」の大合唱だ。経営側も経団連会長が「昨年以上の熱量と決意」で賃金引き上げを目指すよう呼びかけるなど、異例の積極姿勢を見せている。

 昨年、最低賃金の全国平均が時給1000円を超えた。政府は中小企業の賃上げ原資のために価格転嫁を促している。「人への投資」にやっと目が向くようになったのはいいことだ。

 だが、素直に歓迎はできない。これでは全然足りないからだ。「失われた30年」の間、実質賃金はほとんど上がっていない。大手と中小、正規と非正規の格差は広がり続けた。物価上昇率を少し上回る程度の賃上げではマイナスを取り戻せない。

 今まで何をやってきたのかとも思う。労使だけでない。日本中が、労働者の生活よりコストダウンを優先する空気を後押し(または放置)してきたのではないか。メディアの一員として自戒したい。

(位川一郎)

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 2月13日号21ページの記事「米国の底力 王者インテルが反撃の狼煙」の文中、「ポール・オッテリーニ氏」は「ブライアン・クルザニッチ氏」の誤りでした。またクルザニッチ氏はエンジニア出身で、文中の「エンジニアではなく」を削除します。おわびして訂正します。

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