テクノロジー

MRJの夢を再び 日本の次世代航空機開発はこんな機体を目指す 平野純一

試験飛行のため滑走路に向かうスペースジェット(名古屋空港)=2020月3月18日、平野純一撮影
試験飛行のため滑走路に向かうスペースジェット(名古屋空港)=2020月3月18日、平野純一撮影

 経済産業省は3月、産業構造審議会・航空機産業小委員会の「航空機産業戦略」で、2035年ごろをめどに日本が次世代航空機開発を目指す方針を示した。スペースジェット(旧MRJ)の失敗を踏まえ、今度は周到に準備を整えたうえで、日本は再び旅客機の完成機製造にチャレンジする。

カーボンニュートラルの次世代機開発

 想定している航空機は、単通路で座席数100~200席程度の機体だ。現行のボーイング・B737、エアバス・A320と同クラスになる。製造機数が最も多いクラスで、今後も成長が見込まれている。

 スペースジェットは、ボーイングとの競合を避け、ボーイングが持っていない100席以下のリージョナル機で開発を目指した。しかし今後の需要予測では、リージョナル機はあまり伸びる見通しがない。そこで今後も需要が見込める100~200席の「ボリュームゾーン」に狙いを定めた。

 このクラスで、カーボンニュートラルに対応する次世代航空機の開発を目指す。国際民間航空機関(ICAO)は2050年までに、国際線航空機の二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロとする目標を掲げている。燃料にSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)や水素を使うことでカーボンニュートラルを達成することを…

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週刊エコノミスト

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