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週刊エコノミスト Online 編集後記

位川一郎/中西拓司

編集部から

 JR東海が3月、リニア中央新幹線の2027年開業を断念する方針を明らかにした。一方、4月には、静岡工区の着工に反対してきた静岡県の川勝平太知事が自身の問題発言で辞職を表明し、沿線自治体からは事業進展への期待感が出ているという。

 しかし、開業時期がいつになるかは枝葉の問題に見える。リニアの是非という「そもそも論」に、答えが出ないままだからだ。自然環境への悪影響は本当にないのか。人口減などで需要が足りずJR東海は大赤字になるのではないか。怖いのはこれからだと思う。

 東京オリンピックは多くの負の遺産を残した。開催まで1年を切った大阪・関西万博は、いまだに成功が見通せない。大プロジェクトに頼る高度成長時代の発想と、異論を抑え込む強引さ。走り出したら止まらない構図の繰り返しに暗然とする。

(位川一郎)

「この通話はサービス向上のために録音する場合があります」。自宅マンションに不具合があり、管理会社に電話すると自動音声が流れてきた。

 企業が顧客から暴言などを受けるカスタマーハラスメント(カスハラ)が問題視され、こうした自動音声が増えるのも仕方ないかもしれない。ただ、原因とみられるのは「社会の閉塞(へいそく)感などによるストレス」がトップらしいが(連合のアンケート)、ちょっと疑問に思った。

 あらゆる手続きがインターネット経由になり、問題があっても駆け込む先はネット回線の向こう側だ。ネット対応前提なので、電話対応のスタッフが足りないことも原因ではないか。

 冒頭の電話では対応まで5分待たされ、不具合が解消されたのは3カ月後だった。私の通話は「サービス向上」に役立ったのか聞いてみたいが、それも「カスハラ」になるのだろうか。

(中西拓司)

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