『写真が語る満州国』　太平洋戦争研究会著　ちくま新書　1320円

　わずか13年ではあったが、かつて満州国という実験国家が存在した。満州、漢、朝鮮、蒙古、日本の五族協和により争いのない平和な王道楽土をめざした満州で、在留邦人たちはどう暮らしていたのか。ソ連の満州侵攻、日本の敗戦によりどんな変化が起きたのか。戦史研究家の平塚柾緒氏が代表を務め、近現代史に関する取材や執筆をする太平洋戦争研究会が、200点を優に超える豊富な写真群とともに、満州国の野望と挫折の実態を詳しく伝える。（H）

週刊エコノミスト2024年8月13・20日合併号掲載

『写真が語る満州国』　太平洋戦争研究会著　ちくま新書　1320円