新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 コレキヨ

小説 高橋是清 第3話 横浜大火=板谷敏彦

 <新連載>

 元治元(1864)年秋、是清は英語学習の国内留学のために横浜へと向かった。10歳である。

 この2年前には生麦事件が起きている。薩摩藩主の父である島津久光の大名行列の前を馬上のまま横断したイギリス人に対し、護衛の藩士が切りつけて、1名を殺傷、2名に重傷を負わせた。イギリスは艦隊を連ねて直接薩摩に談判に赴き、結果として薩英戦争に進展した。

 また長州藩は下関海峡を封鎖、まさに是清が横浜に出立しようとしている頃、列強との間で馬関戦争が起こっていた。この薩摩・長州両藩は、これらの事件をきっかけに、攘夷(じょうい)とは正反対の行動をとることになるが、まだまだ江戸では開国と攘夷の空気が入り交じり、これから横浜の外国人居留区に出入りして英語を学ぶなど非常に危険な行為だった。

残り2430文字(全文2770文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事