教養・歴史Book Review

『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』 評者 田代秀敏

     題名の『八九六四』は、1989年6月4日に、中国の北京で起きた天安門事件のことである。

     体制改革を要求する一般人のデモを軍隊が武力鎮圧し、多くの生命を犠牲にして一党支配を維持した事件が起きてから29年がたった。

     中国が別の未来を選択したかもしれない大事件に遭遇した当時の若者たちは、今や40代、50代となり、現代中国を担う立場となっている。

     そうした「天安門事件の思い出を持っていそうな中国人のおっさんやおばはんを国内外で探し続け」、数年の時間を掛け、60人以上に話を聞き、「なかでも印象深かった十数人の目から見た天安門事件の姿と、その後の彼らの生きざま」を紹介する本書は、実に大変な労作である。

    残り893文字(全文1192文字)

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