教養・歴史Book Review

『進歩 人類の未来が明るい10の理由』 評者・楠木建

     人間の状況評価には遠近の歪(ゆが)みがある。近いものほど粗(あら)が目立ち、遠いものほどよく見える。メディアは日本の状況がいかに悪いかを論じる記事を連日発信する。カネとエネルギーに溢れる中国はダイナミックに成長し、アメリカではシリコンバレーがイノベーションを次々に生み出している。それに比べて日本の閉塞感と体たらくは何だ──。

     これは空間的な例だが、時間軸でみると遠近の歪みはさらに増幅する。「今は最悪、昔は良かった……」に人々の評価は流れる。「そんなことはない!」と最初から最後まで全力で主張するのが本書である。

    残り912文字(全文1170文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    10月6日号

    半導体 コロナ特需16 成長分野 (1)医療・非接触 新たな社会課題がビジネスチャンスに ■津田 建二19      (2)5G&サーバー 世界データ量3倍化で市場拡大 ■編集部20      (3)パワー半導体 日本は新素材で先行 ■編集部22      (4)製造装置 中国勢駆け込みで2桁成長へ [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット