新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 Book Review

『脱ポピュリズム国家 改革を先送りしない真の経済成長戦略へ』 評者・小峰隆夫

著者 八代尚宏(昭和女子大学特命教授・グローバルビジネス学部長) 日本経済新聞出版社 1700円

重層化する停滞を批判、求められる構造改革へ

 憂国の書である。日本はいつのまにか、多くの分野でポピュリズムが蔓延(まんえん)する「ポピュリズム国家」になってしまった。求められている構造改革を阻んでいるのもこのポピュリズムだ。脱ポピュリズムこそが必要だと著者は説く。

 本書では、次々に各分野におけるポピュリズムが指摘されていく。日本的雇用慣行に守られた「雇用ポピュリズム」、集積の利益を無視して人口分散を進める「地域ポピュリズム」、給付は手厚く、負担は軽くという「ポピュリズム政治」に翻弄(ほんろう)されてきた社会保障、都合の良い経済前提を置くことで、必要な対策を逃れる「ポピュリズム行政」によって負担を先送りしてきた「年金ポピュリズム」、画一的な介護を低価格で提供…

残り816文字(全文1195文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事