教養・歴史Book Review

『会計の再生 21世紀の投資家・経営者のための対話革命』 評者・平山賢一

     本書は、過去数十年にわたり精緻化されてきた会計基準では、投資家にとって有用な財務情報を提供できなくなっていることを、広く社会に問うたものである。わが国でも、企業と投資家のエンゲージメント(目的を持った対話)の重要性が注目されているだけに、両者の対話の前提になる財務情報の有用性が確保されているか否かという点は、重要な問題でもある。

     筆者たちは、財務情報と株価の関連性を検証することで、財務情報の有用性の低下とその要因を複数の視点から探っている。そこでは、企業が四半期ごとに報告する会計基準準拠の財務情報は、株価との関連性が急速に薄れてきていることを明らかにしている。その要因は、無形資産(研究・開発による技術など)が即時費用処理され将来の収益と対応していないこと、経営者の主観的な見積もりに基づく財務情報開示が蔓延(まんえん)して…

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