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法務・税務 2040年の社会保障を考える

「労働時間」「教育費」「保育」が鍵 少子化克服へ「結婚・出産」の増加要因検討=柴田悠 本誌版「社会保障制度審」第9回

女性の有配偶出生率と有配偶率の推移(15~49歳) (編集部作成)
女性の有配偶出生率と有配偶率の推移(15~49歳) (編集部作成)

 日本社会にとって、人口減少問題に取り組むことは喫緊の課題だ。少子化のスピード、つまり出生数が減るスピードが速いと、高齢者人口が多いままで納税人口と就業人口が急減し、高齢者福祉の財政悪化と人手不足が深刻化する。したがって、出生数減少スピードはできるだけゆっくりのほうが、社会の持続可能性は高い。ではどうしたら出生数減少スピードを緩和できるのか、これから前後2回にわたって検討していきたい。

 日本では、出生数は「若年女性人口(15~49歳)×若年女性有配偶率(若年女性の既婚者割合)×有配偶出生率(若年既婚女性数に対する出生数の比率)」でほぼ計算できる。「ほぼ」と書いたのは、この計算式では婚外子が考慮されていないからだ。ただ、出生数に占める婚外子の割合は、日本ではわずか2%だ。そのため、日本での出生数のほとんどはこの計算式でカバーできる。

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