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「1.57ショック」以下の出生率 団塊ジュニアへの楽観が裏目に=増田雅暢 本誌版「社会保障制度審」第11回

出生数と合計特殊出生率の推移
出生数と合計特殊出生率の推移

政府が少子化問題に取り組み始めたのは、今から約30年前の1990年である。この年、前年の合計特殊出生率(その年次の15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が一生の間に産む子どもの見込み数)が、それまでの最低だった66年の「ひのえうま」の1・58を下回り、1・57にまで低下したことが判明し、「1・57ショック」と呼ばれた。その後、90年代半ばから、政府は何度も少子化対策の政策パッケージをつくってきたが、成果をあげたとは言い難い。なぜ少子化の流れを止めることができなかったのだろうか。

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