週刊エコノミスト Online 2040年の社会保障を考える
「1.57ショック」以下の出生率 団塊ジュニアへの楽観が裏目に=増田雅暢 本誌版「社会保障制度審」第11回
有料記事
政府が少子化問題に取り組み始めたのは、今から約30年前の1990年である。この年、前年の合計特殊出生率(その年次の15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が一生の間に産む子どもの見込み数)が、それまでの最低だった66年の「ひのえうま」の1・58を下回り、1・57にまで低下したことが判明し、「1・57ショック」と呼ばれた。その後、90年代半ばから、政府は何度も少子化対策の政策パッケージをつくってきたが、成果をあげたとは言い難い。なぜ少子化の流れを止めることができなかったのだろうか。
- <2006年の35年ぶり出生率反転 妊娠・出産時の費用負担軽減が奏功=増田雅暢 本誌版「社会保障制度審」第12回>
- <少子化克服へ「5本柱」を総合展開 在宅支援含めた「家族政策」へ転換を=増田雅暢 本誌版「社会保障制度審」第13回>
- <結婚と出生先送りが負のスパイラル 出生率低下の8割は初婚行動に起因=阿藤誠 本誌版「社会保障制度審」第14回 >
- <超少子化の背景に四つの複合要因 根強い男女役割分業的な価値観=阿藤誠 本誌版「社会保障制度審」第15回 >
- <保育サービスの一段の拡充を 非正規雇用是正と男性育児参加もカギ=阿藤誠 本誌版「社会保障制度審」第16回 >
- <「労働時間」「教育費」「保育」が鍵 少子化克服へ「結婚・出産」の増加要因検討=柴田悠 本誌版「社会保障制度審」第9回>
- <2・9兆円投資で、出生率2・07到達の可能性 労働生産性上昇と…=柴田悠 本誌版「社会保障制度審」第10回>
残り2555文字(全文2809文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める