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結婚と出生先送りが負のスパイラル 出生率低下の8割は初婚行動に起因=阿藤誠 本誌版「社会保障制度審」第14回 

図1 戦後日本の合計特殊出生率・人口置換水準・出生数の推移
図1 戦後日本の合計特殊出生率・人口置換水準・出生数の推移

 今日、人口減少社会が現実のものとなり、一部地域では地域社会消滅への危機感が高まっている。その原因はひとえに少子化である。また、超高齢化による社会保障制度崩壊への懸念が叫ばれてから久しいが、原因の一端は長寿化にあるものの、大半はやはり少子化に起因する。本稿では、このような超高齢・人口減少社会到来の元凶ともいうべき少子化について3回に分けて考察する。第1回では少子化とは何か、それはどのようなメカニズムで生じているのかを論じる。

 戦後日本の合計特殊出生率(TFR:毎年の年齢別出生率から計算される1人の女性が15~49歳の間に産む子供の数の平均)の推移を振り返ってみると、大きくは出生力が転換し、その後安定した「出生力転換の時代」(1947~70年代半ば)と「少子化の時代」(70年代半ば以降)に分けられる(図1)。

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