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超少子化の背景に四つの複合要因 根強い男女役割分業的な価値観=阿藤誠 本誌版「社会保障制度審」第15回 

女性の短大・大学(学部)進学率と労働力率・雇用労働力率の推移 (注)労働力率は15歳以上人口に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合、雇用労働力率は15歳以上人口に占める雇用者(就業者から自衛・家族従業を除いた労働者)の割合 (出所)進学率は文部科学省「文部科学統計要覧」、労働力・雇用労働力率は総務省統計局「労働力調査」
女性の短大・大学(学部)進学率と労働力率・雇用労働力率の推移 (注)労働力率は15歳以上人口に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合、雇用労働力率は15歳以上人口に占める雇用者(就業者から自衛・家族従業を除いた労働者)の割合 (出所)進学率は文部科学省「文部科学統計要覧」、労働力・雇用労働力率は総務省統計局「労働力調査」

 前回、わが国の超少子化が、人口学的には主として「結婚の先送り」に連動した「出生の先送り」によって起こったことを明らかにした。この現象は、時代的には1970年代半ばから2000年代半ばまで、世代的には50年代前半生まれ以降70年代後半生まれ世代まで不可逆的に続いた。それでは、この時代、この世代でなぜ先送り行動が続いたのであろうか。超少子化の背景は複合的であるが、以下4点に整理してみる。

 第一は、高度経済成長の結果訪れた豊かな社会の到来である。高度経済成長期及びその後の安定成長期にかけて、経済的には、産業化(工業化・サービス経済化)、就業者の自営業から被雇用者へのシフトである「サラリーマン化」、所得水準の上昇が続いた。社会的には、都市化、高学歴化、テレビの影響力拡大、モータリゼーションが進行し、家族においては核家族世帯化、専業主婦化が進んだ。

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