週刊エコノミスト Online特集

役立つ会計 会計基準編 グローバル化で増えるIFRS採用企業 電力、鉄道などインフラ企業は日本基準=溝口聖規

    ソフトバンクグループなど海外展開やM&Aを積極的に展開進めている企業はIFRSを採用している
    ソフトバンクグループなど海外展開やM&Aを積極的に展開進めている企業はIFRSを採用している

     <一から学ぶ基礎知識>

     日本企業が採用する会計基準は、日本の会計基準、米国会計基準、国際会計基準(IFRS)の三つがある。

     戦後の日本の会計基準は、当時の最先端の会計基準だった米国基準を手本に制定された。例えば、日本基準と米国基準はあらかじめ会計処理上のルールや基準を詳細な規定で定めておく「細則主義」を採っている。これに対し、IFRSは大まかな原則は決めても細かい規則は示さない「原則主義」のため、企業は原則を理解したうえで、それに沿った会計処理を選択しなければならない。

     根本的な考えに違いはない日本基準と米国基準だが、改定を進めてきた米国基準に比べて、日本の経済界は会計基準よりも実務慣行を重視する傾向があり、長らく日本基準の改定は置き去りにされてきた。その結果、米国基準との間に乖離(かいり)が生じていたことから、1999年以降に行われた「会計ビッグバン」で、米国基準に近づけるために連結決算中心主義や金融商品の時価評価など10を超える会計ルールが矢継ぎ早に制定・改定された。

     一方、90年代に入り、企業活動のグローバル化とともに金融・資本市場のグローバル化が進行すると、国際間で財務数値を比較できるようにするため、共通の会計基準を構築するニーズが高まった。IFRSの大きな転機は、2005年に欧州連合(EU)の域内上場企業への強制適用が始まったことだ。02年には米国基準もIFRSに歩調を合わせて最終的に違いを解消することに合意(ノーウォーク合意)。それ以降、米国基準とIF…

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