役立つ会計 会計士が足りない! 4監査法人で年間数百人退職か 超多忙な業務に若手が嫌気=伊藤歩
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難関試験に合格しても、監査法人に就職できず、資格取得に必要な実務経験が積めない──。そんな時代があったことがうそのように、大手の監査法人は深刻な人手不足にあえいでいる。監査法人による青田買いの対象は、将来公認会計士試験に挑戦するであろう日商簿記2級取得者にまで広がっている。
公認会計士試験には年間1100~1200人程度が合格し、そのうちおおむね9割が4大監査法人(EY新日本、トーマツ、あずさ、PwCあらた)に就職する。規模が大きいEY新日本、トーマツ、あずさは各300人前後。それだけの人数を採用しても人手不足は深刻化する一方で、昨年11月には、あずさが1年間の新規監査先の受注停止宣言を出したほどだ(今年6月末で解除)。
原因は監査の最前線に立つ公認会計士が大量に監査法人を辞めていることにある。筆者が、4法人の公認会計士と公認会計士試験合格者(旧試験制度下での試験合格者である会計士補を含む。以下、会計士等)の年度末時点の所属人数と、当該年度内の新規採用人数などから、退職している会計士等の人数を推計したところ、4法人合計での年間退職者数は直近で約800人という結果を得た(図)。退職者には海外の提携先やグループ内の他…
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週刊エコノミスト
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