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週刊エコノミスト Online 特集

役立つ会計 事例で研究 異常点監査で粉飾を見抜け ポイントは売上高、利益、現預金、在庫=村井直志

図1 東芝のパソコン事業の月別の推移を見ると、営業利益が売上高を上回っている(出所)東芝第三者委員会の調査報告書(2015年7月20日)
図1 東芝のパソコン事業の月別の推移を見ると、営業利益が売上高を上回っている(出所)東芝第三者委員会の調査報告書(2015年7月20日)

 粉飾や横領という不正会計の予防・発見には、「目星をつけて、数字を見る」技法である「異常点監査」の思考が欠かせない。現代版の異常点監査「コンピューター利用監査技法(CAAT)」では、エクセルなどを活用して仮説を立て、抽出した異常なデータを検証する。

ケース(1) 長期トレンドで異常把握

 京セラの稲盛和夫名誉会長は「売り上げを最大に、経費を最小にすれば、儲(もう)けが生まれる」という趣旨で、管理会計の要点を簡潔に言い表す。だが、この名言を少し変えると、まったく違った風景が見えてしまう。「売り上げを最大に見せかけ、経費を最小にできれば、儲けが生まれるぞ、チャレンジ!」。

 2015年に不正会計が発覚した東芝では、歴代社長らが「チャレンジ」と称して収益改善を強く迫り、「残り3日で利益を120億円改善しろ」などという常軌を逸した命令で、かつてない規模の「粉飾」が行われた。

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