小説 高橋是清 第7話 ブラウン家=板谷敏彦
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是清はオークランドのブラウン家での生活を楽しんでいた。ところが同じ奉公人の中国人コックとは何かとそりが合わなかった。
ちょっとした誤解から、お互いの仕事の分担でもめ、やがて是清が刃物を持ち出す騒ぎになった。養祖母の喜代子が与えた脇差しを手に、是清は頭に血が上っていた。
「もし中国人のコックを殺したら、私はどうなるでしょうか?」
是清は興奮気味にスペンサー・ブラウンに聞いた。
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週刊エコノミスト
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