経済・企業エコノミストリポート

メキシコ新大統領の波紋 内向き政策に石油メジャー戦々恐々 油田開発やGS事業の見直しも=阿部直哉

 メキシコでのエネルギー政策が大きく転換する可能性が現実味を帯びている。「油田開発などの民間への開放を停止する」。7月1日のメキシコ大統領選で勝利した元メキシコ市長の野党候補、ロペスオブラドール氏(64)は選挙期間中も一貫して、外資系企業に門戸を開放してきたエネルギー政策に反対する姿勢を見せてきた。石油産業の自由化に後ろ向きな新大統領の誕生によって、民間の国内石油会社はもちろん、既に進出を果たした外資系エネルギー企業は戦々恐々としている。

 メキシコでは、1917年に制定された憲法で、政府が資源を独占することを規定。この規定に基づき、38年にはカルデナス大統領(当時)が外資系資本を追放し、石油産業を国家が独占する構造に転換した。この象徴的存在として、国営石油公社ペメックスが石油開発事業を独占してきた。

残り3346文字(全文3700文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事