メキシコ新大統領の波紋 内向き政策に石油メジャー戦々恐々 油田開発やGS事業の見直しも=阿部直哉
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メキシコでのエネルギー政策が大きく転換する可能性が現実味を帯びている。「油田開発などの民間への開放を停止する」。7月1日のメキシコ大統領選で勝利した元メキシコ市長の野党候補、ロペスオブラドール氏(64)は選挙期間中も一貫して、外資系企業に門戸を開放してきたエネルギー政策に反対する姿勢を見せてきた。石油産業の自由化に後ろ向きな新大統領の誕生によって、民間の国内石油会社はもちろん、既に進出を果たした外資系エネルギー企業は戦々恐々としている。
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メキシコでは、1917年に制定された憲法で、政府が資源を独占することを規定。この規定に基づき、38年にはカルデナス大統領(当時)が外資系資本を追放し、石油産業を国家が独占する構造に転換した。この象徴的存在として、国営石油公社ペメックスが石油開発事業を独占してきた。
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週刊エコノミスト
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