経済・企業エコノミストリポート

半導体 スマホじり貧のクアルコム NXP大型買収は断念も 黒字のうちに多角化挑む=津田建二

    絶えず結果を問われている(モレンコフCEO)(Bloomberg)
    絶えず結果を問われている(モレンコフCEO)(Bloomberg)

     半導体世界6位で、通信用半導体を手がける米クアルコムが、同9位のNXPセミコンダクターズ買収を断念した。クアルコムには、NXP買収の失敗だけではなく、第3世代無線通信(3G)特許を巡る独占禁止法訴訟、さらにスマートフォン関連ビジネスの頭打ち感などマイナス要因がのしかかっている。ただし、買収断念直後こそ株価が下がったものの、1日で回復して、足元はむしろ上昇基調だ。クアルコムは従来得意としてきたスマホ用半導体にとどまらず、経営の多角化を進めており、その姿勢が評価されているからかもしれない。クアルコムがどう生き残りを図っているのか。その姿は日本企業の低迷脱皮の参考になろう。

     クアルコムは2016年10月、NXPを400億ドル強(4兆円超)で買収することで合意しており、世界各国・地域で「買収が独禁法に触れるか」という審査を受けていた。審査が最後まで残っていた中国当局は判断の期日である今年7月25日を迎えても結果を発表せず、クアルコムは買収を断念した。米『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、「クアルコムのNXP買収失敗は、米中貿易戦争の犠牲になった結果だ」と報じた。

    残り3326文字(全文3813文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    6月16日号

    コロナデフレの恐怖14 サービス業に「デフレの波」 失業増で負のスパイラルも ■桑子 かつ代/市川 明代17 市場に問われる開示姿勢 ■井出 真吾18 図解デフレ大国ニッポン ■編集部19 デフレ圧力は過去にない水準に ■永浜 利広20 コロナで「上がった下がった」ランキング ■編集部21 インタビ [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット