小説 高橋是清 第11話 フルベッキ=板谷敏彦
有料記事
明治2(1869)年4月、グイド・フルベッキは新政府の鍋島閑叟(かんそう)や大隈重信に強く請われて長崎から上京した。開成学校の教頭に就任し、政府顧問として森有礼(ありのり)が主導する公議にも列席することになる。
近代日本建設の父とも呼ばれるフルベッキは、オランダ生まれの米国人宣教師で英仏独蘭の4カ国語に堪能だった。
安政6(1859)年に来日、長崎で英語、政治、経済、理学などを教えた。さまざまな分野に精通し、蘭学が英学に移行する過程でマルチリンガルとして重宝された。門下生には大隈重信、副島種臣、江藤新平、伊藤博文、大久保利通がいる。他にも維新の大物のほとんどと面識があった。
残り2468文字(全文2759文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める