経済・企業商社の深層

商用EVの電池素材「本命」狙う 東芝と双日の負極材はブラジル産=編集部 商社の深層/123

ブラジルのミナス・ジェライス州にあるCBMM社のニオブ精錬工場(双日提供)
ブラジルのミナス・ジェライス州にあるCBMM社のニオブ精錬工場(双日提供)

 双日が長年、日本での総代理店を務めてきたブラジル産の希少金属が注目されている。薄くて軽くて丈夫な高張力鋼、いわゆるハイテンと呼ばれる高級鋼材の添加剤に使われるニオブだ。リチウムイオン電池の負極材に使えば従来の炭素系の負極材に比べ、充放電サイクルが5~10倍に伸び、シェアリングカー、バスなど商用の電気自動車(EV)に使われる蓄電池の素材として、一定のシェアを占める可能性もある。

 今年6月、双日と東芝のインフラ事業会社である東芝インフラシステムズ(川崎市)はブラジルのCBMMと共同で、ニオブを使ったリチウムイオン電池向け負極材の共同開発契約を締結した。CBMMは世界最大のニオブ生産者で、世界シェアで約8割を占める。双日はニオブの将来性が注目されていない1969年、前身の日商岩井時代からCBMMと取引関係を築き、現在は新日鉄住金、JFEスチールなど日本4社で10%の株式も保…

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