EV&つながる車 電池素材 “テスラ・ショック”から回復 技術優位の日本企業は堅調=澤砥正美
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<活況!車載市場>
2017年初から順調に需要が拡大してきた電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池(LiB)市場だが、米EVメーカーのテスラの新型車「モデル3」の生産遅延により18年前半はLiB需要の減速懸念が高まった。しかし、8月1日にテスラがモデル3の量産計画を引き上げると発表して以降、LiB需要は回復基調にある。実際、主要4部材(正極材・負極材・電解液・セパレーター)を中心にLiB材料を手がける各社とも、車載向けLiB需要拡大を背景に、電池部材の出荷が足元で好調に推移している。18年4~6月期の決算をみると、三菱ケミカルホールディングス(HD)は電解液、負極材合計の売上高が前年同期比3割増加したほか、セパレーターの数量も旭化成、東レが同30%、宇部興産が同50%程度増加した模様だ。
中国のEV市場拡大を追い風に、車載用電池を巡っては、中国勢が政府支援を受けながら急速に生産能力を引き上げている。11年創業の寧徳時代新能源科技(CATL)が17年の出荷量で首位に立ち、同3位の比亜迪(BYD)などを含む中国勢の世界シェアは6割を超えた。CATLは独BMWや独フォルクスワーゲン(VW)など世界の自動車大手への電池供給を獲得しており、ホンダも中国用EV電池をCATLから調達する計画で…
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週刊エコノミスト
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